他の魚と同じように、しめ鯖に使われる鯖にも旬の季節があります。旬の時期の鯖を使ってしめ鯖を作ることでいつものしめ鯖がさらにおいしくなりますが、鯖の旬の季節がいつであるか、知らない人も多いのではないのでしょうか。ここでは、自宅でしめ鯖を作ってみたいと考えている人のために、鯖の旬の時期についてご紹介しますので、興味のある人はぜひ参考にしてみてください。
日本各地で取れるマサバの旬
しめ鯖は使用する鯖によってもおいしさが大きく違いますが、できるだけ質の高い鯖を使用した方が味も豊かになります。しめ鯖の材料に使用するのに最適なのが旬の鯖ですが、鯖の旬の時期は種類によって違います。鯖と一口に言っても、実は複数の種類があり、お店で売られている鯖もよく注意してみると種類は様々です。
日本で広く販売されている代表的な鯖がマサバです。鯖と言えばマサバのことを意味するのが一般的で、日本では最も代表的な鯖の種類です。マサバは日本の沿岸の各地に生息しているため、全国の広い地域で漁獲されます。マサバは外見に特徴があり、背中は青緑色の皮膚の上に斑点状の模様が広がっていて、おなかの部分は銀白色に光っており、背中側とは対照的にきれいな無地です。
マサバの旬の季節は、捕獲する場所によってそれぞれ決まっています。マサバは日本の近海を季節によって移動する回遊魚であるため、鯖が取れやすくなる時期もマサバの移動に合わせて変化していきます。夏の時期にマサバを取ることができるのが北海道の沿岸で、北海道産のマサバは7月ごろが旬です。海水の温度が低くなる冬になると、鯖は南の方に移動しますが、それに合わせてマサバを取りやすくなる漁場も南下します。秋ごろには東北から関東沖でマサバの捕獲量が増加しますが、さらに気温が下がると九州の沿岸でもマサバを漁獲できます。九州のマサバの旬の時期は毎年2月ごろで、夏から冬にかけて1日中の旬の味を楽しめるのがマサバの魅力です。その中でも、特にマサバの味がおいしくなるのが秋の終わり頃で、この時期のマサバは産卵を終えて体に脂肪がたっぷりとついているのでしめ鯖にしても最適です。
ゴマサバの旬の時期
ゴマサバも日本の沿岸で多く漁獲される鯖です。ゴマサバはマサバよりも海水の温度が高い地域に生息している鯖で、九州や近畿地方の沿岸に多く生息しています。ゴマサバとマサバは見た目に大きな違いがあり、どちらも背中側に斑点が広がっているところは共通していますが、ゴマサバはおなか側にも斑点が広がっています。おなか側の斑点が黒色でゴマのように見えることから、ゴマサバという名前がつけられました。味もマサバとは違いがあり、脂がしっかりとのっているマサバと比べて、ゴマサバは脂の量が少ないのでさっぱりとした味わいです。そのため、脂の少ない魚が好きな人でも食べやすくなっています。
ゴマサバは一年を通して味が変わらないため、旬の季節がない魚であると言われています。もともと脂が少ないだけでなく、特定の季節になっても体の脂の量が変化しにくいことが旬のない魚と言われる理由です。ですが、味は変わらなくても漁獲量が多くなる季節はありますから、こうした時期がゴマサバの旬の季節と一般的には言われています。ゴマサバの漁獲量が増えるのは毎年夏の時期で、この時期のゴマサバは広い地域で入手しやすくなっているので、しめ鯖の材料にも使いやすいでしょう。
旬の鯖を使って作るおいしいしめ鯖
しめ鯖を作るときに脂の量が多い鯖ほどしめ鯖にしたときに食べごたえがありますが、日本の沿岸でよく取れるマサバは脂が一番のっている秋が旬の季節と言われています。マサバより暖かい地域に生息しているゴマサバはマサバよりも脂が少なく一年を通して味が変わりませんが、漁獲量が増える夏ごろが旬の季節とされています。しめ鯖を作る際は使う鯖の旬の時期もぜひチェックしてみてください。