しめ鯖が好きでよく食べているという方も多くいらっしゃいますが、青魚の鯖と酢酸を豊富に含むお酢を組み合わせたしめ鯖は、健康をサポートするさまざまな効果があることでも有名な栄養食材です。そこで、今回は美味しいしめ鯖の中に隠された栄養成分やしめ鯖を食べることで得られる健康効果などをポイント別にご紹介していきます。
血液サラサラにはしめ鯖
青魚に多く含まれていることが知られているDHAとEPAは必須脂肪酸と呼ばれるオメガ3に分類される栄養成分ですが、人の体の中で生成することはできないため、食事などで外から摂取して補給しなくてはなりません。青魚である鯖にも血液をサラサラにしてくれるDHAとEPAが豊富に含まれていることから、アジやイワシなどと同様に健康に役立つ食材としても人気です。また、DHAは考える力・覚える力など学習能力の向上に役立つ成分として、EPAは身体の巡りをサポートして生活習慣病の予防に役立つ成分として若年層から高齢者まで幅広い世代の人に積極的に摂取することを推奨されています。
しめ鯖には栄養価の高い鯖に加えて、悪玉コレステロールを減らして善玉コレステロールを増やす酢も使用しているため、血液をサラサラにする効果が高いと言われています。その他、ビタミンB12やビタミンDも含まれており、動脈硬化や脳卒中、高血圧など生活習慣が原因で起こる不調や病気を予防する効果も期待されています。
疲労回復にもしめ鯖
人の体は運動した後には疲労物質である乳酸菌が溜まってしまうと言われていますが、鯖に含まれるナイアシンや酢のクエン酸は乳酸菌を分解することができるので、疲労回復にも効果があることが分かっています。ナイアシンは糖質・脂質・タンパク質の代謝に必要な補酵素ですから、不足すると食欲がなくなったり消化不良が起こるため、代謝力のある健康的な体には欠かせない成分です。
また、クエン酸も食事で摂取した栄養を消化してエネルギーとして使用するために欠かせない栄養素として、疲れを溜めない元気な身体をサポートしています。ナイアシンとクエン酸を両方摂ることができるしめ鯖は、元気のもとであるエネルギーの生産をサポートするため、疲労回復だけでなく夏バテや食欲不振などを解消してくれる栄養食材としても効果が高くなっています。さらに、お酢を摂ることで唾液が分泌されて食欲をコントロールする摂食中枢を刺激したり、胃液の分泌を促して消化を促進できるため、食欲がない時にもしめ鯖はおすすめです。
二日酔い予防にしめ鯖
お酒をたくさん飲んでしまった時は翌朝には毒性のあるアセトアルデヒドが体内に溜まり、吐き気や頭痛を引き起こしてしまいますが、そんな悪酔いや二日酔いの時にもしめ鯖が役立ちます。鯖に含まれているナイアシンはアルコール脱水素酵素・アルデヒド脱水素酵素の補酵素として働くため、スムーズにアルコールが分解され、体外に排出されていきます。
さらに、お酢の主成分である酢酸が肝臓の働きをサポートするため、エネルギーを作りだすことでアルコールの分解を促進できるようになります。しめ鯖はもともと日本酒などお酒にも合う料理ですから、お酒のつまみとしてしめ鯖を食べることで体内代謝を高めてアルコールによる不調を解消する効果もあります。また、二日酔いを早く解消したい時にもしめ鯖はおすすめですから、お酒を飲む時だけでなく翌朝にしめ鯖を食べるのも良いでしょう。
しめ鯖は健康にも良くおいしい
鯖とお酢で作られたしめ鯖には代謝を高めたり、血液をサラサラにする健康効果があるため、代謝が低下して生活習慣病などのリスクが高まる中高年にもおすすめの調理法です。体に良い効果があるのに美味しくて、ご飯のおかずにもお酒のつまみにも合う理想的な食材ですから、健康のためにも定期的にしめ鯖を食べるようにしましょう。