しめ鯖の栄養と作り方

鮮度の良い脂の乗った鯖で作ったしめ鯖はご飯だけでなくお酒も進む、おかずやおつまみにも最適な甘みのある鯖の脂とお酢の風味が特徴です。しめ鯖をたくさん食べたい時には、生食用の鯖を使えば家でも簡単に作ることができます。ここでは、しめ鯖の作り方や栄養やカロリーなど、しめ鯖の基本的な情報をご紹介していきます。

しめ鯖とは

しめ鯖は日本全国のお寿司屋や居酒屋でも人気ですが、元々は魚が長期輸送に耐えられるように塩漬けにしていた保存食の鯖を酢締めして食べたことが由来だと言われています。東日本では「しめさば」と呼ばれていますが、西日本では「きずし」と呼ばれ、お酢で締めた鯖を切り身にしてお刺身やお寿司として家庭でも手軽に食べられています。大阪のバッテラや熊本のしめ鯖蒲鉾、石川の金箔付きしめ鯖、京都の棒寿司などしめ鯖を使った日本各地の特産品なども有名です。しめ鯖は手軽に食べることができますが、鯖のヒスタミン中毒によって蕁麻疹や嘔吐などの食あたり症状を起こすことがあります。鮮度の悪い鯖は食あたりの原因となるヒスタミン量が多くなるため、水揚げされてすぐ内臓を取り出し血抜きした鯖を使用することが大切です。

しめ鯖の栄養

しめ鯖のカロリーは100gあたり339~373キロカロリーと脂ののった鯖を使っているためカロリーも高くなっていますが、ビタミンなどの栄養素も豊富に含まれています。しめ鯖には赤血球中のヘモグロビン生成を助けるビタミンB12、丈夫な骨を作るためのビタミンD、筋肉や血液の生成をサポートするビタミンB6などが含まれています。

また、鯖に含まれるDHAやEPAは血液をサラサラにして中性脂肪を抑制したり、脳や網膜などの神経系に作用する健康効果も有名です。鯖と一緒に酢を取ることで鯖のナイアシンと酢のクエン酸が疲労物質を分解したり、ナイアシンと酢酸によって二日酔いや悪酔いの原因になるアセトアルデヒドを分解できるため、健康だけでなくお酒を飲む人にも最適な食品となっています。しめ鯖100g中には糖質が1.7g、食物繊維が0.69g、たんぱく質が18.6g含まれています。

しめ鯖の作り方

しめ鯖を作る時の鯖は釣ったばかりの新鮮なものか、鮮魚市場やスーパーなどで生食用として販売されているものを選ぶようにしましょう。鮮度の良い鯖は粘液が白濁していないので見た目もきれいに見えるだけでなく、目も透き通ってエラの内側もきれいな赤色のままです。鯖の身が固く弾力があり、臭いがしないものを選ぶと間違いがないでしょう。また、しめ鯖に使うお酢は魚料理に合う米酢がおすすめです。鯖を三枚おろしにした後、身がしっかり隠れるくらい塩ふりをして1時間くらい置いておきます。その後、流水で塩を洗い流してから、キッチンペーパーで水気をしっかり取っておき、酢漬け用の容器に皮を上にして並べてから10~15分米酢に浸します。

酢締めが終わった後は、ハラ骨や中骨をピンセットなどでしっかり取ってからアニサキス予防にラップに包んで金属トレイになどに並べ、48時間くらい冷凍保存します。しめ鯖を食べる時には刺身とは異なり、身に対して直角になるように飾り包丁を入れながら切り分けるとお店で出てくるようなきれいなしめ鯖になります。しめ鯖はそのまま食べても美味しいですが、塩を振ってガスバーナーであぶったり、オリーブオイルと合わせてカルパッチョにしたり、酢飯を丸くまるめてしめ鯖のてまり寿司にするなどいろいろな楽しみ方ができます。

しめ鯖は冷凍保存していつでも食べることができる

新鮮な鯖が手に入った時にしめ鯖を作っておくと、食べたい時に好きなだけしめ鯖を食べることができるだけでなく、急な来客やイベントなどの時にもひと手間加えたしめ鯖料理でおもてなしができます。しめ鯖は塩を振って酢に浸けるだけで作ることができますので、これまでしめ鯖を作ったことがない人にもおすすめの簡単レシピです。ぜひご自宅でも作ってみてください。