しめ鯖や鯖寿司の栄養とカロリー

栄養豊富なたんぱく源としてお馴染みの魚ですが、その中でも赤身魚である鯖は特に栄養面が充実していると言われています。鯖はそれ自体の美味しさはもちろん、健康管理やダイエットのためにも注目の食材と言えます。ここでは、そんな鯖を生のまま美味しく食べられるしめ鯖や鯖寿司の栄養面やカロリーについて見ていきましょう。

しめ鯖のカロリー比較

しめ鯖のカロリーは10gを一切れと仮定すると、一切れで34kcalになります。他の魚と比較すると、鯛は一切れで17kcal、まぐろは一切れで18kcalとなっていますから、魚の中ではカロリーは高めの部類に入るようです。鯖を焼いている際にかなりたくさんの脂が出ますが、鯖は魚の中では脂を多く含んでおり、その関係でカロリーもやや多めに算出されます。

そして、しめ鯖寿司の場合は一貫を41gと仮定すると、一貫あたり103kcalになります。鯖寿司の一貫はご飯も含んでいる分、しめ鯖の一切れに比べると当然カロリーは多くなります。そのため、どうしてもカロリー摂取量が気になるという方は鯖寿司にはせず、しめ鯖だけで食べるというのも選択肢の一つかもしれません。

鯖特有の豊富な栄養

次に、鯖ならではの豊富な栄養素について見ていきます。鯖のような赤身魚は身が濃い赤色になっているのが特徴的ですが、この色はヘモグロビンが多く含まれているという証拠です。ヘモグロビンには貧血などを予防する栄養素である鉄分が豊富で、これが鯖には多く含まれています。

さらに、普段調理される方は思い当たるかもしれませんが、鯖は魚の中でも特に鮮度が落ちやすいと言われています。それは、鯖に豊富に含まれる不飽和脂肪酸が変質しやすいのが原因です。傷みやすいのは困ったものですが、この不飽和脂肪酸が健康面で非常に良い働きをしてくれます。サプリメントなどでよく耳にするEPAやDHAという成分がこの不飽和脂肪酸の代表です。EPAもDHAも血液の流れを良くする働きがあり、よくドロドロ血液をサラサラに変える栄養素と言われます。血中コレステロールの値を調整し、中性脂肪を下げる効果があり、肥満や動脈硬化、脳卒中などが気になる方は特にEPAやDHAの摂取はおすすめです。また、DHAに関しては脳や神経組織にも良い作用があると言われています。

しめ鯖として食べる魅力

鯖を焼いていると脂がたくさん出てくると前述しましたが、脂が出ていくということは大切な栄養素であるEPAやDHAも同時に消失してしまうということです。そのため、鯖の栄養を無駄なく全て体に摂取したいということであれば、調理の過程で熱を加えず生で食べるのが一番望ましいということになります。また、しめ鯖と言えば酢が欠かせませんが、しめる際に用いる酢についても、悪玉コレステロールや中性脂肪を下げる作用があります。つまり、加熱しないしめ鯖は中性脂肪や血管状態に不安があったり、将来的な脳卒中リスクが気になるという方にとって非常に理想的な栄養を含んでいるのです。

カロリー比較の際に、鯖は魚の中ではカロリーが多い傾向があると紹介したため、ダイエット等が目的の方にはあまり向いていない食材なのかと感じた方もいるかもしれません。しかし、中性脂肪や悪玉コレステロールの減少に作用する不飽和脂肪酸や酢を十分含んだしめ鯖については、適量を食べる範囲ではダイエット志向の方にもかなりおすすめできる食品だと言えます。どんな食品も食べ過ぎは良くありませんから、適量を食生活に取り入れるようにしましょう。

美味しさと理想の栄養を両立したしめ鯖

しめ鯖は、鯖本来の美味しさと栄養をそのまま詰め込んだ理想の食べ方の一つです。鯖はどうしても脂が多い魚という印象が強いですが、その脂には人間の生活習慣病の悩みを軽減する豊富な栄養が含まれており、酢と合わせてしめ鯖にすることでさらにその栄養成分が充実します。しめ鯖を定期的に食卓に取り入れることは、日々の健康的な生活への大きな一歩となるでしょう。